企業向けに加工用食品や食品添加物を製造する会社で、品質保証部門のクレーム担当として5年間勤務していました。
クレーム対応は営業部門を通じて入った顧客からの連絡に回答し、ときには報告書を作成したり、直接訪問して説明することもあります。
法律や健康に関わる案件では迅速な判断が求められ、担当者には大きな負荷がかかります。しかし私は5年間、心身を壊すことなく続けられ、むしろ「楽しい」と思える瞬間もありました。
今回は楽しいクレーム対応を実現するための考え方と具体的な心得を解説します。
クレーム対応が楽しくない主な理由
苦しくなる要因 | 具体例 |
---|---|
自社製品に問題があるか早急に判断しなければならない | 異物混入の申し立てを受け、原因特定に時間がかかる場合(関連:食品添加物ラベルの読み方) |
対応が長期化する | 原因不明や顧客の満足が得られず、数週間〜数カ月かかる |
社内と顧客の板挟み | 顧客の要望を優先した結果、社内の不満を招く(関連:顧客との信頼関係の築き方) |
対策に限界がある | 完全防止には多額の投資やリソースが必要な場合 |
クレーム対応が楽しいと感じる瞬間
1. 社内の仕組みを知り、人間関係が広がったとき
調査を通じて自社の仕組みや業務理解が深まり、関わる人脈も広がります。
2. 新しい仕組みを構築できたとき
原因調査から業務手順の改善につながることがあり、会社に貢献できます。(参考記事:品質管理改善の具体例)
3. 顧客から信頼を得られたとき
迅速で誠実な対応により、感謝の言葉や今後のビジネス機会を得られることもあります。
楽しいクレーム対応のための3つの心得
1. 回答を急がれたら現時点での情報を伝える
調査途中でも、わかっていることと今後の予定を伝えることで顧客の不安を軽減します。(関連:迅速な初期対応の方法)
2. こまめに状況を報告する
進捗を共有し、顧客との信頼を維持します。質問には真摯に回答しましょう。
3. 発生現場や現物を自ら確認する
現場を見て得られる情報は多く、原因特定や説明の説得力が増します。(関連:現場確認で見るべきポイント)
実体験からの学び
私は異物混入や原因不明の案件で、この3つの心得を徹底しました。原因特定が難しくても、推定要因と対策を提示することで顧客の理解を得られることが増えました。
対応後に感謝される瞬間は、苦労が報われると同時に、仕事の楽しさを感じられる瞬間です。
まとめ
- クレーム対応は初期対応の重要性と難しさからストレスフルになりやすい
- クレーム対応は、迅速・こまめ・現場重視がカギ
- 経験を通じて得られる人脈や改善機会は大きな財産になる
ストレスを楽しさに変えるクレーム対応は、誰でも実践可能です。